京都メディアフォーラム例会記録(2004.7~2011.12)

京都メディアフォーラム例会記録

きっとうまくいく

8時前になったので帰宅しようと研究室を出たら、うしろで物音がして振り向くと背の高い学生がいた。なにか急いで相談したそうだったので戻って話しを聞くことにした。

初めて会う学生だった。別の学科の四回生だとのことで、出版や新聞社への就職を考えているのだが、うまくいかないので相談に乗ってほしい、とのこと。背筋が通り、はきしているので、就職活動真っ最中という風情。だが、まだ業種も何も絞り切れていないまま活動している、とのこと。

エントリシートに書いている自己アピール文を読ませてもらった。誠実な人柄がよくでている丁寧な文章だが、冗長であり、長文が続いている。

「自分は他人と比べて、明確な目標もないが、出版関係に行きたいと思っている。しかし、文章もうまくないし、あがり症なので面接でも思い通りにしゃべれない」という話しである。

たしかに文章も練れてないし、話しも回りくどい。それに就職先のこともあまり調べてないようだ。

しかし、言葉遣いがしっかりしているので、文章は書き慣れていないだけで、少し経験を積めば普通にかけるようになるだろう。話の回りくどさも、最初に結論を言ってから説明すればよくなる。あがり症だというが、初対面の教員に一人で尋ねてきて、自分の状況を説明できるとすれば、いくらでも改善は可能だ。しかも、人の話を聞くのがうまい。

要は、本人が自分のこれまでの人生の中で自分の体験や考えを振り返ることである。そこからしか始まりはないし、そこにこそ正解がある。それを自覚し始めた彼女はきっと変わっていくだろう。

今日の最後に、可能性を感じるいい人に出会った。

「きっとうまくいく」