京都メディアフォーラム例会記録(2004.7~2011.12)

京都メディアフォーラム例会記録

入試問題に載りました

 今日、大学入試過去問題集を出版している版元から連絡があった。今年度入試問題に、私の著書から出題された部分があるとのことで転載許可をほしいとのこと。

出題部分を読むと、『自己表現力の教室』の私の担当部分からの出題である。三名の共著本なので、書誌情報を略記するときには、著者名は、「荒木晶子他著」となる(三名の記載順は、単純にあいうえお順であり、しかも唯一の女性であり、聡明で、魅力的な荒木さんが最初となった。三番目の私の名前は省略される場合が多く、検索できないこともある)。

ただし、出題部分の引用元には、「筒井洋一ほか」となっていた。出題側が正確に著者を確定するのは当たり前だが、意外に盲点である。国語の問題文なので、言語学的な正確さも判断材料になるだろうから、出題されたことはよけいにうれしい。出題された大学は、北海道の私立大学とだけ言っておこう。
日本語表現法を提唱して以来、一番気をつかうのが文章表記である。この科目に否定的な人からは、「いいかげんな文章しか書けない人が日本語表現法の代表者であれば、この科目の信憑性が疑われる」と会議の場で揶揄(やゆ)されてきた。

正直言って、私は、文法的な正確さを追求することは苦手である。文章の校正をすればするほど、粗が目立ってくるからだ。しかし、そうであっても、以前よりすこしはましな文章が書けるようになってきた。その点で、やはりこの科目に関わってきてよかったと思う。

ところで、そういえば、共著者である向後千春さんの文章も、国語の教科書に載ったことがある。彼の文章は、私に比べて、もっとこなれている。もう一人の荒木晶子さんは、講義はもちろん、英検の出題も担当されているので、スピーチには定評がある。

こう考えてみると、有能な二人に支えられて来て私も少しずつ成長しているのかもしれない。この本の著者名が、「荒木晶子他」、あるいは「荒木晶子、向後千春他」と略記されるのもうなづける。早く「荒木晶子、向後千春、筒井洋一」と併記されても遜色がないようになりたいものだ。