京都メディアフォーラム例会記録(2004.7~2011.12)

京都メディアフォーラム例会記録

ワルツは一二三で、海はマリンー漢字博士阿辻哲次さんと戯れるー

ytsutsui2008-03-25

阿辻哲次さんの姿を見る(1分間)

(ダウンロードするか、iTunes for mac/winで見てください。)
昨夜は、遊び人に呼ばれて、漢字やことばを知る会に行った。
会場は、京都のまちなかの大通り沿いにある民家の二階だった。室内は、古材を使ったしつらえで天井が高くとても広々とした空間だった。料理は一品持ちよりとのことだったので、私は前日たまたまもらった牡蠣ご飯を持参した。他の参加者も、チーズあり、寿司あり、サラダありと、なかなか豪華な料理がならぶ。ワイングラスが並んでいるので、これはワインが出そうだと思うが、まず講義を聞いてからのお楽しみだ。


講義は、京大の漢字博士である阿辻哲次さんだ。大学でも中国語を教えておられるそうだが、主として日本語の特徴について話してくれた。最近、テレビに登場しているようで、話しぶりが実になめらかだ。理論的な話を丁寧な比喩を用いて説明してくれるの実にわかりやすい。話のネタをたくさんもらった。


一つだけ紹介する。阿辻さんは、常用漢字を制定する審議会にも参加されているので、珍名さんにも詳しい。


たとえば、
「一二三」というファーストネームはどう読むか?
普通ならば、「ひふみ」だ。

しかし、これを「ワルツ」と読ませる名前があるそうだ。


また、「海」というファーストネームは、どう読むか?

普通ならば、「うみ」と読むだろう。

しかし、これは「まりん」と読ませるそうだ。英語のmarineからの連想かと思いきや、お母さんがパチンコ好きで、機種シリーズの名前から取ったそうだ。


お笑いネタを紹介したが、阿辻さんの論旨は、日本語、中国語、コリア語などは、その文字に意味を持っている表意文字であることが、共通しており、漢字を持つことが国力の発展に大きく寄与していること。そして、無理に漢字の発展をナショナリズムに結びつけることはせず、漢字を媒介すれば、東アジア共通のことばの理解を形成できることを力説したのだった。


講演後は、楽しいpot lack partyだった。かつて仲間が主催していたカルチャーサロンを思い出す。