京都メディアフォーラム例会記録(2004.7~2011.12)

京都メディアフォーラム例会記録

台湾発日本行の、アート・デザイン「胡蝶書坊」オンライン書店小さな出発!

ytsutsui2008-08-12

小原久直さん(紀伊国屋書店台湾支店の元社員)が立ち上げたオンライン書店「胡蝶書坊」が、8月11日に開店しました。


歴史を感じるアートやデザインの写真集。ほとんどがヨーロッパや米国の出版本だ。もちろん、英語やドイツ語であっても、写真や絵画が中心なので、十分楽しめる。今はなき丸善書店の洋書コーナーで、外国の雑誌や画集をむさぼり読んでいた頃を思い出す。さっそく
写真家Tim Walker著「I Love Pictures!」を買ってしまった。


胡蝶書坊のサイト・バナーには、

遠い日の夏休み、生まれて始めて一匹のアゲハ蝶を捕まえた記憶。
一冊の本を手にするということが、そんな驚きと喜びの体験であれば、と考えています。

という店主のメッセージが掲げられている。


実は、店主の小原さんとお会いしたのは、二十年くらい前までだった。大学出入りの紀伊国屋営業社員として彼はやって来た。初めは洋書の購入だけでのつきあいだったが、次第に人生を語り合う友人になった。


その後、小原さんは、京都支店を経て、台湾支店に転勤したことで、ほとんど関係が途切れていた。ところがある時、台湾からメールが突然やって来た。本好きの小原さんが、企業の中ではそれを実現しにくくなっている悩みを持っている時に、たまたま私にメールしてくれたのだった。


彼は、台湾に長く勤務する中で、台湾永住などについて語ってくれた。一昨年、会社を退職して、二度と本屋はやりたくないと思ったそうだが、やはり本の魅力は彼を離さなかった。そこで、昨秋から準備して、ようやく8月11日に開店したのだった。


自己資金で開店したため、まだ在庫点数が少ない。さらに、豪華本だけでなく、関連グッズなどの回転の早い商品を置けばいいのにと思う。でも、彼は、知名度のある本ではなく、むしろいつまでも手元に置いておきたくなるような本にこだわるようだ。


著者が本当に出したいと思った、熱の籠もった本だけを追求する、という頑固者店主の良心が表れている。小原さんのささやかな一歩をお祝いしたいと思う。


みなさんも、是非一度にお寄り下さい。「胡蝶書坊」