京都メディアフォーラム例会記録(2004.7~2011.12)

京都メディアフォーラム例会記録

第33回 昭和を育てたもうひとつのメディア 紙芝居が見た現代 ヤッサン

第33回京都メディアフォーラム夏休み特別編■□■

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆テーマ  「昭和を育てたもうひとつのメディア 紙芝居が見た現代」 
 紙芝居というメディアは、放送と同じく免許事業でした。しかし街頭紙芝居の上演者は経済的にはインディペンデントな存在で、公園という子どもたちの公共空間で、「語り」の楽しみを提供してきました。
 人との関係を創りだす楽しさを教え、道徳的ではない「道徳」を、教育的ではない「教育」を子どもたちに浸透させる不思議なストリート・アーティスト。子どもたちはその空間で、年少者をいたわったり、正義感を抱き、冒険に夢を馳せ、大人のずるさや駆け引きをも学び、大笑いしながら育っていきました。
 PC全盛の時代に、なぜかまたこの路上パフォーマンスが子どもたちに大人気です。昔懐かしいだけではない紙芝居、ぜひ現代っ子と一緒に観賞しましょう。
 後半は、安野さんの紙芝居と昭和史、メディアとしての紙芝居、上演者からみた社会と子どもたち、子どもたちが表現する紙芝居など、安野さんのトークをお楽しみください。
◆紙芝居上演:「黄金バット」から「言葉のない紙芝居」まで
◆ゲスト
・ヤッサン(本名:安野 侑志)(紙芝居パフォーマー)
創造学園大学 創造芸術学部客員教授)
全国で唯一「紙芝居業者条例」のある大阪で昭和47年に免許を取得する。現在、京都国際マンガミュージアムの一室に常設小屋があり、夏休み中は連日子どもたちで大にぎわい。昭和から平成へと、あらゆる年代の子どもたちと向かい合いながら、公園から社会を見てきた。「ちゃか丸」「らっきょむ」のお弟子さんと、上演の重要なパートナーであるおつれあいさまとご一緒においでくださいます。
http://www1.odn.ne.jp/~aan50560/

 

開始前にちんどんやりながら、ラジオカフェ周辺を宣伝に子どもたちと一緒に回ってくださいました。この回は、小さいお子さんの参加歓迎とし、私の姪なども招きました。紙芝居の実演にほれぼれ。なんと、昨年、故人となっておられたことを知りました。ご子息があとを継いで、上演されているそうなので、また京都メディアフォーラムにお越しいただけないかな。(松浦さと子)

番外編  「デモクラシー・ナウ!とメディア・アクティヴィズムの現在 マーティン・ルーカスさん

番外編

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆テーマ  「デモクラシー・ナウ!とメディア・アクティヴィズムの現在」 

この4月に発足した「デモクラシー・ナウ!ジャパン」のサイトはNYの独立非営
利放送Democracy Now!を日本語で届けてます。

この番組は、独立メディアの面白さと重要性を余すところなく備えています。このような番組が登場する背景となったニューヨークの独立メディアの状況、メディアを市民に解放する「パブリック・アクセス」や、メディアを社会批判の武器にする「メディア・アクティヴィズム」が、どのように生まれ展開してきたかを、NY市立大学でメディア・アクティヴィズムを教えるマーティン・ルーカスさんをお迎えしお話をお伺いします。


http://democracynow.jp/

番組上映:「デモクラシー・ナウ!」2006年10月30日放送分から一部抜粋

◆ゲスト

・マーティン・ルーカスさん (メディア・アクティヴィスト)

ニューヨーク出身。70年代に始まったNY最初のパブリック・アクセス放送局「ペーパー・タイガーTV」の初期メンバーで、90年代初めには、マスメディアとは異なる視点で湾岸戦争をとらえた「湾岸危機TVプロジェクト」を、衛星を使った非営利放送系の非公式全国ネットワーク(ディープ・ディッシュTV)通じて放送した。またNYのパブリック・アクセスTVチャンネル「マンハッタン・ネイバーフッド・ネットワーク」にも関わった。現在はニューヨーク市立大学ハンター・カレッジの映像・メディア学科で、メディア・アクティヴィズムを教えている。

http://www.martinlucas.net/


コメンテーター:杉村昌昭 さん(龍谷大学経営学部)
通訳:松浦哲郎 さん(龍谷大学非常勤講師)

 

東京経済大学の粉川哲郎さんから、「大阪方面で引き受けてくれないかな」とおっしゃっていたのに応えました。杉村先生は定年を前に退職され、がんがんフランスのオルタナティブメディア系の文献の翻訳をされています。(松浦さと子)

第 32回 メディアと文化政策!? 甲斐賢治さん

第 32回 京都メディアフォーラム■□■
◆テーマ 「メディアと文化政策!?」
        D"7remoやrecipの活動からD"7
 メディアと文化政策を考えるに当たって、大阪での取り組みはいつも刺激になります。新しい文化を創造していく仕掛け人と、その場づくりには大きな夢と力を感じるからです。
 今回は、大阪を中心に文化政策における事業デザインや、場作りなどを具体的に実践されている甲斐賢治さんをお招きし、ご自身がこれまで取り組まれてきたremoやrecipなどでの活動を中心にお話いただきます。また、これからの京都における創造的な情報発信の場作りの可能性についてみなさんとともに考えて行きますので、奮ってご参加ください!


◆ゲスト
甲斐賢治(NPO法人remo 記録と表現とメディアのための組織 代表理事 他)
職業として、主に文化政策における事業のデザイン、コーディネイト、マネジメントを行なう。remoでは"個々人がメディアを活用し、自らの環境を作り出す力の創出"を、recipでは"文化の地産地消サイクルの起動"を目論み、さまざまな場やメディアづくりに勤しむ。〔NPO法人remo 記録と表現とメディアのための組織〕代表理事
http://www.remo.or.jp

NPO法人recip 地域文化に関する情報とプロジェクト〕理事
http://www.recip.jp 
NPO法人アートNPOリンク〕理事 http://www.arts-npo.org 
〔有限会社 インテラスディック社〕代表取締役


司会:太田航平(NPO法人地球環境デザイン研究所ecotone代表 / 京都ラジオカフェ株式会社専務取締役)

 

今、甲斐さんは、仙台メディアテークで、大活躍。文化庁から表彰も受けておられましたね。文化に社会性を加味してお話くださいました。(松浦さと子)

第31回 NPO京都コミュニティ放送は、何を達成したのか

第31回 メディアフォーラム
◆テーマ 「NPO京都コミュニティ放送は、何を達成したのか」
        ~放送運営者が語る現在と未来~

 これまでの例会では、多様なゲストをお招きしてメディアや文化の諸相をテーマにしてきましたが、今回は、視線を内側に転じて、「NPO京都コミュニティ放送」を取り上げます。
 今後も、様々な角度から「NPO京都コミュニティ放送」をテーマにした例会を開催したいと思いますが、まず最初として、放送運営者 自身がこれまでの経験を踏まえてどのように考えている のかについて報告してもらいます。
 有本理事長からは、三条商店街のまちづくりや京都におけるNPO放送の意味について、町田放送局長と時岡チーフエンジニアからは、番組制作を直接プロ デュースする現場から語っていただきます。ラジオ放送開始から五年目を迎えて、これまでの経験を踏まえた新し い展開について、参加者と共に探っていきたいと思います。

◆ゲスト
NPO京都コミュニティ放送・理事長 有本嘉兵衛(株式会社有本代表取締役社長)
    同       放送局長 町田寿二(KBS京都OB)
    同       チーフエンジニア 時岡浩二
司会:筒井 洋一さん(京都精華大学教員)

 

ゴージャスなゲストです。こういう御顔ぶれで毎年、聞き取りしたいです。(松浦さと子)

第30回  市民記者の可能性 

第30回 京都メディアフォーラム■□■

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆テーマ  「市民記者の可能性 」
~「すべての市民は記者」たり得るか~


日本でも市民参加のインターネット新聞が新しいメディアとして定着しつつあります。

「市民とメディア」を考えるとき、「すべての市民は記者」のスローガンを掲げて歩みだしたインターネット新聞から目を離せません。

今回は創刊4年目のインターネット新聞「JANJAN」の市民記者でありデスクでもある山本ケイさんをゲストにお招きし、日本における新しいメディア創成期の体験を語っていただくと共に、日本のメディア文化・メディア状況の中で本当に「すべての市民は記者」たり得るか、市民記者の可能性と課題は何か、について皆さんと一緒に考えます。


◆ゲスト

・山本ケイさん (JanJan市民記者/デスク)

 繊維専門紙記者、大阪日日新聞記者、講談社・週刊現代契約記者、
 みんなの滋賀新聞記者を経て、日本インターネット新聞(JanJan)記者。
 消費者問題地方自治、メディア問題などを中心に執筆活動を展開中。


司会:亘英太郎さん(奈良産業大学情報学部教授、元毎日新聞論説委員)

 

市民記者が非営利有償で記事を書けるというスキームは、充実した感じですが、その後、経済的に失速しました。今、また、その後をお聞きしてみたいです。 (松浦さと子)

第29回 『発掘!あるある大事典』を読み解く

第29回 京都メディアフォーラム■□■

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◆テーマ 『発掘!あるある大事典』を読み解く
            ~テレビの魅力と魔力、そして未来~ 


発掘!あるある大事典』捏造問題の調査委員会報告書をうけ、
民放連は関西テレビを除名し、総務省は厳しい処分にふみきりました。
まもなく国会に出される放送法改訂案で、政府はバラエティも含めて
テレビを強く規制しようとしています。

  捏造・やらせはなぜ起こるか?
  娯楽と報道はどこがちがうのか?
  テレビ文化は何をつくってきたのか?
  テレビはどこから来てどこへ行こうとしているのか?

今回は関西テレビからのゲストとともに、テレビ改革の課題や、
これからのテレビ文化のありかたを考えます。


◆ゲスト

・山本泰秀さん(関西テレビクロスメディア事業局CS事業部長)

 1977年入社。京都チャンネル担当。総務・人事を経て、85年から報道局。
 阪神淡路大震災報道などで活躍。02~04年BSフジをへて、05年から現職。

・木原紘一さん(関西テレビ監査役)

 1964年入社。「夏樹静子サスペンス」など数多くのドラマの演出、
 プロデューサー。 編成局長をへて、1998~2001年BSフジ常務取締役。
 03年から現職。

 

歴史的なメディアの大事件について、京都メディアフォーラムで情報共有させていただけたのは、有意義でした。(松浦さと子)

 

 

関西テレビの人気番組『発掘!あるある大事典?U』第140回の納豆によるダイエット効果を取り上げた「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」(2007年1月7日放送)に対し、週刊朝日が疑問を呈し、関西テレビは内部調査の末、「虚偽のデータを放映した」と発表。それ以降の放送中止、千草社長らが謝罪・辞任、民放連からの除名に至った。関西テレビへの非難が渦巻く中、この例会には同テレビの木原紘一・監査役と山本泰秀氏に出席してもらった。事実経過や、なぜ今“捏造”問題が頻出し、テレビ番組が衰弱するに至ったのか、長年の視聴率主義、バラエティ依存、安易な企画、下請け制作費の切り詰めとずさんな管理などが自己批判的に報告・討議され、さらにバラエティ文化・テレビ文化はどこへ行こうとしているのかなど、きびしいやり取りも続いた。 厳しい市民のフォーラムに関テレ社員がよく来たと感じる人もあったが、実は木原氏は私が学生時代に属した劇団「風波」の尊敬する先輩。関テレでは「我が母は聖母なりき」「夏樹静子サスペンス」など多くのドラマも手掛けてきたプロデューサーでもある。テレビ局内部でも、報道と制作、ドラマとバラエティなど、担当によって情報や演出に対する考え方の違いも少なくない。関テレでは、下請け会社との契約の明確化など各種の改革を進め、『番組制作ガイドライン』の設定(2007)も行われたが、その後ものTBS『人間!これでいいのか』、フジテレビの『トリビアの泉』などでも、“捏造”や過剰な演出が指摘されている。木原氏はその後まもなくガンで他界された。第58回参照。  (津田正夫)

 

第28回 NPOによる街づくりと市民メディア スティーブ・ジョンソン さん

第28回三条御幸町メディアフォーラム(12月9日)■□■
────────────────────────────
■テーマ=「NPOによる街づくりと市民メディア
           ~米国オレゴン州ポートランドの事例から~」
●日時=2006年12月9日(土)19:00~21:00(開場 18:30)
●場所=四条烏丸 COCON烏丸4Fシティラボ・プレゼンテーションルーム
*正面のオフィス専用エレベーター前に、「メディアフォーラム」の名札をつけた
  案内係がおります。
●お話=スティーブ・ジョンソン (Steve Johnson) さん(米国出身)*通訳あり
米国オレゴン州立大学教員。1945年オレゴン州ポートランド生まれ。70年-80年代を通じて環境NPO活動にたずさわり、環境と調和したオルタナティブ技術を推進。環境誌『レイン』を発刊、編集長として活躍(74-84年)。NPOのコンピュータ利用支援での実績の他、地元・ ジョンソン・クリーク水系の環境保護、市民参加型の計画手法の開発に成果をあげた。90年よりポートランド州立大学都市研究センターの地域研究マネジャー、97年から同大学NPOマネジメント研究所の特別研究員に就任。同大学の都市研究学部、公共管理学部などで教鞭をとる。研究員、教師、地域活動家の3役をこなしながら、大学の地域連携活動にも重要な役割を果たしている。
*参考URL http://www5d.biglobe.ne.jp/~okabe/sjohnson/index.html
岡部一明さん(東邦学園大学教員)ウェブサイト内

 

岡部さんが全国に呼びかけてくださり、龍谷大学の招聘でお世話になりました。せっかく京都においでになったのだから、とメディアフォーラムでも話していただきました。現在も、龍谷大学の地域公共人材開発センターの共同研究者です。(松浦さと子)